お役立ち情報

マヒ側を動作に参加させる理由と、代償動作から考えられる悪循環

日常生活を送る中 マヒした上下肢で動作や作業を行うチャレンジをするけど
なかなか思うように動作が行えず
・マヒしていない方で行った方が楽だし簡単
・じれったいからマヒした方はあまり使いたくない
なんて経験ありませんか??
私自身 股関節の手術を経験し 術後「痛み」「可動性の制限」などを感じ 動作に対し
「楽な動作」「行いにくい動作はやらない」を選んでいました
その結果、反対側の膝が痛くなってしまったり、腰が痛くなってしまったなどの経験があります。
理学療法士になるべく 知識をつけていると
・なぜマヒ側(整形では患側)を【適切に】使用しないといけないのか
・非マヒ側(整形では健側)を
【過剰に】使いすぎてしまうと良くないのか
上記の観点から「マヒ側を動作に参加させる理由」「代償動作から考えられる悪循環」についてご紹介したいと思います。
※「決して代償動作が全て良くない、無理に麻痺側だけ使用することが良いことではない」ということを前提としています。

運動の司令塔『脳』

ヒトが運動を行うときは、動作の前に【脳】が働きます。また、動作を行うためにも【脳】から指令が出て運動が
実行されます。
つまり、筋肉だけがたくさんあっても【しっかり使うこと】ができなければもったいないわけです。

『脳』は回復する

「脳の可塑性(回復)」とは脳の神経細胞群が新たなネットワークを築き、生まれ変わることです。
繰り返し練習することで一過性ではなく持続的なネットワークが構築されます。
また、個々の神経細胞の損傷あるいはシナプス結合が回復する機序は下記のように考えられています。
(ミクロ的可塑性、シナプスの可塑性)

Taub E, Uswatte G, Elbert T. New treatments in neurorehabiliation founded on basic research. Nat Rev Neurosci 3;228-236, 2002.

①のように神経が損傷されると
②損傷前には機能していなかったシナプス結合が顕在化する(Unmasking;仮面をはがされること、顕在化)
③新たな神経突起が発芽する(Sprouting)
④神経幹細胞から新たな神経細胞が生まれて置き換わること(Transplantation)によって
新たなシナプス結合ができる。

『脳』の働き

脳は「右脳(うのう)」と「左脳(さのう)」があります。
右脳は左半身 左脳は右半身を担当しています。

右腕を運動するときは左脳が働く

『脳』はお互いに監視している

脳は左右のバランスを取れるよう 監視し合っています。
損傷されていない脳は 暴走した動きが出ないように 常に抑制をし合っています。
では、なぜ脳の左右のバランスが不均等になると良くないのか?
●仮に右マヒとします●
1.右マヒなので「左脳」が損傷している可能性が高い
2.左半身が動きやすく左半身から送られてくる情報が右脳に送られ 右脳がパワーアップする
3.逆に右半身から送られてくる情報は減り 左脳は機能が低下していく
4.左脳が頑張って機能しようとしても パワーアップした右脳に抑制されてしまって 働く機会が少なくなってしまう
5.損傷した脳は回復するチャンスが減ってしまう


「Use-Dependent Hemispheric Balance」の論文では
・右上肢を固定し、自由に左上肢を動かしたG1群と
・右上肢を固定し、左上肢の動きに制限を加えたG2群の
「半球間抑制」の報告があります。
結果は 自由に動かした左上肢では、右脳から左脳に対し「抑制」が強くなり
固定された右上肢では、G1,G2ともに左脳から右脳に対して「抑制」が弱くなりました。
つまり、
マヒ側を上手に使用しなければ、回復のチャンスが減ってしまい 使用することが難しくなってしまうのです。


半球間抑制については 「脳リハンド」さんのブログにもわかりやすく記載されています

https://nou-rehand.com/mahitereha#toc1

代償から考えられる悪循環

『脳』には それぞれ手や足など担当となるマップがあります。
感覚入力によりマップは大きくなったり 小さくなったりします。
小さくなったマップは動作では参加しにくくなりますし、大きくなったマップは動作に参加しやすくなります。
そのことにより 関節の位置関係も変化し 関節に対する負担が大きくなってしまい
・痛みを引き起こしてしまったり
・運動効率を下げてしまい疲労しやすくなったりしてしまいます。
この悪循環を 良い循環に切り替えるためにも 適切なリハビリ介入 自主リハビリが重要であると考えています。

リハビリセンター リアライズ 3つの無料

リハビリセンター リアライズでは「3つの無料」があります。
・初回無料リハビリ体験
・セラピスト向け無料ハンドリング練習
・無料動作分析&アドバイス(動画での自主練習ご提案)
リハビリセンター リアライズでは、専用のLINEアカウントを使用し
どなたでも無料で動作分析&アドバイスをさせていただいております。
※個人情報は厳重に管理させていただいております。
LINE IDから友達追加していただき、「お困りの動作」「改善したい動作」を送ってください。(5分以内の動画)
後日、返信させていただきます。
LINE IDは [ 0721reha]です。

LINE. ID

リハビリセンター リアライズでは、ご利用者様に対し専門的なスタッフが十分な質と量のリハビリをご提供しています。ご興味のある方は気楽にお問い合わせ・ご連絡ください。

リハビリセンター リアライズ
理学療法士 飯島 直人